好敵手を褒める。
先日テレビで、TBSのバラエティー番組「ジョブチューン」で文具の特集が行われてました。
私が大好きな文具の特集ということもあり、夕食を食べながら家族で、それは楽しく拝見させていただきました。
紹介されていたフリクションライト。消せる蛍光ペンです。
蛍光ペンの用途を今一度考えてみたとき、「消えてほしくない」シチュエーションがなく、かつ間違って引いてしまうことがあることを考えると、消せる蛍光ペンはその答えだと考えます。
こうした最新文具の新機能に驚かされることは勿論ですが、何より文具の紹介の仕方が、とにかく気持ちいいんです。
各主要メーカーの担当者がVTRに登場し(もちろんスタジオにもおわします)、商品を紹介するのですが、紹介するのは、自社製品ではなく、あくまで他社製品。とにかく他社製品をべた褒めするという形でプレゼンが進行していきます。
べた褒めされたメーカーの担当者は、満面の笑みと、
といったコメント。
褒めた方のメーカー担当者もとても嬉しいでしょうし、何といっても自社製品を褒めるのではなく、ライバル企業である製品を褒めるという行為に、視聴者は、この方の懐の深さを感じ、純粋に文具が好きなんだな~と好感が持て、見てるだけなのに、こちらも何だかうれしくなってしまいます。
番組を見ながら思ったのは、このスタイルって仕事に生かせるんじゃないのか?という発想でした。
私の仕事は、東京都に本部があって、各都道府県に支部があるという組織形態で、各支部がそれぞれに特色ある事業を実施しています。
年に数回、担当者が本部に集まって会議があるときに、本部から見て特徴ある事業をしている支部を紹介して、場合によっては、支部の担当者が自支部の取り組みをプレゼンしたりするのですが、それを、自支部ではなく、別の他支部をほめちぎるというスタイルで事業を紹介するというのは、とても気持ちいいんじゃないかと思うのです。
上(本部)が下(支部)を褒めるのはいたって普通ですが、同じような事業を展開している支部同士、つまり、その分野におけるプロフェッショナルが、他のプロフェッショナルを褒め称えるわけですので、説得力は異常に高く、故に、誉められた支部はとてつもなくうれしく、やる気への貢献度はかなり高いはずです。
その様子を見ている他の担当者たちも同様に高揚感を得ることができるはずで、やる気を分けてもらうことができると思います。
私は、このいわゆる「同業者が同業他者を称賛することによって、褒められた方も、それを聞いた方も、みんなが幸福感が得られる」この作用のことを、「今夜はおいしいお酒が飲めそうだ効果」と名付けました。
では、「今夜はおいしいご飯が食べられそう効果」ではどうだろうか。
はぁはぁ・・・( ゚∀゚)=3
『マルタス効果』
いや、でもいいです。もう「マルタス効果」でもいいです。
昨今、気にくわない人をディスるといったハラスメント行為などが問題となっておりますが、この「マルタス効果」による、人を楽しくする、仕事を楽しくする、仕事を少しでも好きになりそうな、こうしたによる取り組みは、社員同士の信頼性を高めることにもつながると思うのです。
ちなみに、注意すべきことは、あくまでも「同じ立場の人が同じ立場の人を称賛する」ことを誤ってはいけません。
例えば上司が部下を称賛する、部下が上司を称賛する、後輩が先輩を称賛する、などという組み合わせは、いたって普通であり、高揚感は、当人同士にしか得られません。むしろ、「えこひいきしている」と思われる危険性すら出てきそうですし・・・。苦笑
あくまで、同じくらいの立場の人や、むしろライバルの立場にある人が称賛することで効果が発揮されると思います。
「マルタス効果!」