良かったです。
映画ってなんというか、話が難しすぎると展開が頭に入ってこないことがあるのですが、この映画は、スルリと頭に入ってきて、上映終了まで集中して楽しむことが出来ました。あっという間でした。
どこまで書いていいんだろう。
書き過ぎるとネタバレになってしまってまずいので、この辺で「警告」出して、書きたいこと書いちゃおうと思います。
ーー 以下、ネタバレ注意です ーー
個人的にはあまりはっきり書かないようにしたいと思いますが、できれば、映画を観たあとに一緒になって感想を言い合うような感じで読んでいただけたらと思います。
手話について
私は今、日本の手話を勉強してまして、アメリカ手話は知りませんでしたけど、予告編映像を見たときは「あ、なんだか読み取れるような気がする!」と思っていましたが、やっぱ読めませんでした😅
いやでも似てるような表現もあったように思いますし、なんというか、少しこの国の手話を使われる方と過ごせば、覚えられそうな気がしなくもありません。そういえばろう者同士は国が違っても結構すらすらとお互いに手を動かし合うというのを聞いたことがありますので、日本語と英語とかよりも、双方の手話言語は言語体型が近いのでしょう。
まあ、そもそもこの映画が英語とアメリカ手話ですので、どちらも私は読み聞き取れないものですから、いずれも字幕で意味をつかむわけで、手話だから音声言語だからとかあんまり気になりませんでした。
シモネタが多かったのは、ある意味リアルだったかもしれません😅😅
登場人物の思いと共有の達成
登場する主人公の両親と兄は耳が聞こえない役ですが、実際にろう者が演じられているそうです。
お父さんはワイルドでかっけーし、手話もキレッキレだし、お母さんもきれいだし、、って、いや、そういうことは良いんですけど。😅
映画の主要人物を一覧に表すと、
- 主人公
- 主人公の父親
- 主人公の母親
- 主人公の兄貴
- 主人公が行為を抱いている同級生
- 音楽の先生
でしょうか。
映画の中では、上記主要人物の思い、心の葛藤、相互理解が丁寧に描かれておりました。
例えば、最初はわからずやな父ちゃんかと思いきや、いろいろ思うことがあってこうしていた、悩んだあげく、こう決断した、そして、その気持ちを相手(娘)にも伝えられて無事回収、みたいに。それぞれの主要人物ごとに、ひとりひとり、丁寧に描写されており、気持ち良かったです。
聴覚障害者へのいやがらせなど
ハンディを持った役者が描かれると、多少はいやがらせ的な演出はあるものです。当事者の気持ちを共有するには有効な手段だと思います。
劇中でも、聞こえない人の魚の買取価格が低かったり、近くで口頭で話をして「どうせ聞こえてないから」といった発言があったり、酒場で手話する姿をコケにしたり。
しかし、私が感じた分では、その事自体は、映画の中では結構さらりと流れていった印象でした。製作者として伝えたいことが、もっと別の部分で時間をかけて伝えたい、ということなのだと理解しました。
確かに、伝えたいこととしてそのシーンを取り入れたのでしょうけども、他のいろんなシーンから、じっくりと伝わるものがありましたので、結果的に、こうしたいやがらせ的なシーンが、どれだけひどいことをしているのかを気づかせてくれているんだと思います。
手話歌への評価
映画のサプタイトルにある「あいのうた」。
主人公は類稀な歌唱力の持ち主でありますが、両親にはその歌声が届きません。両親にはいろんな形でその歌が伝わっていくのですが、その中のひとつが、手話歌です。
歌いながら手話で歌詞の意味を表現するのですが、実は私自身、この手話歌にはかなり否定的だったりします。
そもそも手話歌は、歌詞の意味を捉えて手話で表現します。
歌詞には、ことばの韻だったり、抽象的な言いようがあって、手話で意味を表現すると、それがあまりに平坦な言葉になってるようで、伝わるものなのかが疑問なのです。
加えて、あるとき、聞こえない方から「手話歌はあまり好きではない」という感想をもらったことがあるのです。もちろん、個人の感想であることは理解しています。
ただ、そのときふと感じたのは、「聞こえる人の自己満足なのかな」という感覚でした。
この感覚が、結構大きく私の中の観念として頭の中にありました。
が、映画を観てからは、この感覚は多少変わりました。手話歌、良いんじゃないかな、と。
まとめ
私が選ぶベストシーンは、漁業組合かなんかの寄り合いで、主人公が父親の通訳をするシーンが個人的に最強でした。
相手に気持ちが伝わるということ、そして、自分の考えに周りが共感したこと。
堂々と、歯にこもろ着せぬ主人公の言い様に鳥肌モンでした。父ちゃんもルビーもチョーカッコ良かったぜ!!
なんにしても、思いが伝わることというのは、すごく嬉しいし、大切なことだなーって改めて思った次第です。
私がこの映画で感じた、家族愛、相互理解、共存というものが突破されはじめたシーンなんじゃないかなと思いました。
というわけで、映画の感想でも書いてみました。
それではまたノシ👐🏻